トップメッセージ
当社は10年以上前から、デジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組んできました。この長年にわたる努力は、当社の業務効率の向上、顧客対応の強化、そしてプロジェクト管理の最適化に大きく貢献しています。DXの推進は、私たちのビジネスモデルを根本から変革し、より柔軟で迅速な対応力を持つ組織へと成長させるものでした。
DXの導入は単なる技術革新にとどまらず、当社の経営戦略の中核として位置づけられています。私たちは、最新のデジタル技術を駆使してお客様に新たな価値を提供し、業界のリーダーとして持続可能な成長を実現することを目指しています。
私たちはDXの力を信じ、未来を切り拓いていきます。新しい価値を創造し、持続可能な社会の実現を目指して、お客様や市場、地域社会の課題解決に貢献してまいります。
2024年8月
株式会社セリタ建設
代表取締役 芹田 章博
戦略ビジョン2050とデジタル技術の活用の方向性
セリタ建設は、地域の土木工事業を営みながら、その地域の地質特性である軟弱地盤の地層に着目し、早くから地盤改良工事に注目し、現在の事業の中核として確立してきました。さらなる成長のため、2050年の未来を見据えて、戦略ビジョン2050(デジタル技術で和音のように調和の取れた『建設業のコードソサイエティー』)を策定しました。戦略ビジョン2050には、大きく2つの目標があります。
1つ目は、情報のレスポンスを最適化。
建設は多工程で属人的、これは変わらない、変えられない。
まさに、建設現場で提供するインフラや構造物は、設計から施工までに、多くの工数とプロセスを踏みながら進めています。しかし、まだまだ完成までのプロセスは、属人的でアナグロなステップが多く、情報が欲しい側と提供する側の時間的な制約やギャップが存在しています。そこを解決して行きます。
DXで、多工程間の無理や無駄、ムラを少なくすることはできるし、仕事の魅力を高める事はできる。
2つ目は、情報の格差を無くす。
建設業界の価値を上げるための、情報プラットフォームを立ち上げる。そこでは、建設エンジニアのスキルアップとキャリアアップを促すための情報提供を進めていくことです。建設業の従事している方の情報格差を無くすことで、ベースアップとなり、建設業で就労するための魅力をあげていくことも必要と思っています。
情報のミスマッチや情報ギャップを解消し、属人情報の相互利用に向けたプラットフォームをつくり情報格差を是正していく。 建設業で、地方で、楽しく働く人の和を繋げるのが、セリタ建設のミッションです。
経営ビジョン及びデジタル技術活用の戦略
戦略ビジョン2050年に向けて、弊社はデジタルトランスフォーメーション(DX)を活用し、ステークホルダーに新しい価値を提供するために、いくつかのトレンドや進化に向けてレスポンスよく対応していく姿勢です。これまで進めてきたCRM・SFAによって、工事プロセスや経営の見える化を進めて来ました。
これからは、ステークホルダーまで巻き込んだDXの世界観を体現して頂く構想です。まさに、デジタル技術で調和の取れた『建設業のコードソサイエティー』を実装して行くためには、中期経営計画の中でもDXは重要位置付けとしており、利己的な思考ではなく、常に利他的な思考で、優先度高く推進しています。
従業員
インテリジェントな建設プロセス:AI、IoT、ビッグデータ解析などの技術を活用して、リアルタイムでプロジェクトの進行状況をモニタリングし、問題を予測・防止する能力を向上させることが出来るでしょう。これにより、建設プロセスの効率性と品質が向上し、従業員だけではなく、ステークホルダーにも新たな価値を提供することが出来ます。
地域社会
持続可能性とエネルギー効率:2050年までに、建設業界はさらなる持続可能性の追求に焦点を当て、更に環境への配慮が高まるでしょう。最適な施工プロセスを構築することで、エネルギー効率の向上、Co2の削減などの取り組みを通じて、環境への配慮をしながら社会貢献します。
お客様
デジタルコラボレーション:インターネットの普及によって、ツールやデバイスが常に繋がっており、人と人もリアルタイムで繋がっているため、コミュニケーションを向上させています。更に、VR、AR、コラボレーションツールなどのテクノロジーを積極的に活用しながら進めていきます。
取引先
デジタルマーケットプレイス:建設プロセスに必要な資材、労働力、情報、ノウハウなどオンラインプラットフォームを通じて効率的に調達できるデジタルマーケットプレイスが提供して行きます。これにより、適切なリソースをより迅速に見つけ、ステークホルダーに対してコスト削減のメリットを提供します。
DX推進体制
DX推進室
弊社のDXを本格的に推進するタイミングの2012年から、代表直下に配置されたDX推進メンバーは当初から女性で構成されています。DX推進室のメンバーを女性にするポジディブな要素として、チームの多様性と創造性:女性は、コミュニケーション能力やチームワークスキルに優れており、問題解決と創造的な発想に優れています。彼女らの異なる視点とアプローチは、DXプロジェクトにおいて新たなアイデアや革新を進めることが出来ます。
経営企画室
経営企画室の機能として、グループ企業内での戦略的なノウハウとナレッジ共有を促進します。具体的には、セリタ建設でDXを浸透させ定着させた成功事例やベストプラクティスの収集、知識データベースの管理、ナレッジ共有イベントの開催、ナレッジマネジメントプロセスの推進などがあります。これにより、組織だけではなくグループ間で最良の戦略を選択し、情報共有を強化して競争力を維持し、持続的な成長を実現します。
サイバーセキュリティーに向けて
セリタ建設は、今後 社内に情報セキュリティ委員会を設置し、情報セキュリティポリシーを作成、セキュリティアクションを宣言しました。
社内において、資格取得の推奨や勉強会を開催し、ランサムウェア等の脅威に関する注意喚起を随時行い、遠隔バックアップを行うなどセキュリティ対策を実施して行きます。DXを推進することで、ガバナンスシステムに及ぼされる効果を以下のようにまとめることができます。
透明性の向上
デジタル技術を利用することで、組織内のプロセスや意思決定がより透明になります。これにより、ステークホルダーは組織の活動をより容易に追跡できるようになります。
リアルタイムな監視と
レポーティング
デジタルツールを使用すると、組織のパフォーマンスとコンプライアンスをリアルタイムで監視し、迅速にレポートすることが可能になります。
リスク管理の強化
デジタル分析ツールを活用することで、リスクをより効果的に識別、評価、管理することができます。これにより、潜在的な問題に対して迅速に対応できるようになります。
コンプライアンスの強化
規制の変更や新しいコンプライアンス要件に対応するためのプロセスをデジタル化することにより、法令遵守のための効率と効果が向上します。
意思決定プロセスの最適化
データ駆動型のアプローチを採用することにより、ガバナンスに関わる意思決定がより情報に基づいたものになります。
ステークホルダー
エンゲージメントの向上
デジタルコミュニケーションツールを通じて、ステークホルダーとの対話が容易になり、そのフィードバックをガバナンスプロセスに反映させることができます。
セキュリティと
プライバシーの強化
データセキュリティとプライバシー保護のための技術的手段を強化し、規制遵守と信頼性を確保します。
SECURITY ACTION宣言
株式会社セリタ建設(以下「当社」という)は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の創設した「SECURITY ACTION」の趣旨に賛同し、SECURITY ACTION二つ星を宣言しました。
SECURITY ACTIONは中小企業自らが情報セキュリティ対策に取り組むことを事故宣言する制度です。安全・安心なIT社会を実現するため、IPAによって創設されました。
当社では、今後もお客様、取引先様の情報資産をあらゆる脅威から保護し、適切な安全管理を努め、適正な情報セキュリティ強化対策を実施して参ります。
DXは、ガバナンスシステムにおいてこれらのような多岐にわたるポジティブな影響をもたらし、
組織の持続可能性と競争力を高めるための重要な要素となります。
DXを取り組む姿勢と整備方針
DX推進室が組織全体のデジタル戦略を明確に定義し、ビジョンと目標を明確にします。デジタル技術をどのように活用し、どの分野で成果を上げるかを戦略的に検討して進めています。外部コンサルタントに頼ることなく、現状把握から求める組織像を設定し、そのギャップとなる課題に対して、打ち手を検討し計画的に進めています。組織内で技術的なノウハウやスキルの育成を促進し、その知識を維持できる利点があります。
また、内製化する理由として、課題や問題の発見が遅れて慢性化することや、組織が技術的に広がらず孤立することがあります。
これらの方策を総合的に実施することと、政府や佐賀県などの補助金などを活用しながら、コスト的なリスクを低減し、チャレンジ出来る環境を作りながら、進めています。そのことで、デジタル技術の効果的な活用環境を整備し、組織の競争力向上と持続的な成長を支えることができます。
DX推進プロジェクト KPIとアクションプラン
セリタ建設がDX推進プロジェクトで具体的なKPIを設定し運用する意義は、プロジェクトの進捗と成果を可視化し、全社的な共通認識を持つことで、効率的かつ戦略的にデジタル化を推進できる点にあります。また、KPIに基づくモニタリングにより、迅速な意思決定とリスク管理が可能になり、デジタル化による業務効率の向上やコスト削減といった具体的な成果を確実に実現することを目的としています。