軟弱地盤で太陽光発電を行うリスク

2021年05月17日 太陽光

この記事では、軟弱地盤で太陽光発電を行うリスクについて説明します。地盤に強度がない場合、ソーラーパネルの基礎として打ち込んだ杭が抜けたり沈んだりすることで発電量に影響が出ます。地盤改良を行うことでリスクは小さくなるので、事前に地盤調査を行い、必要に応じた地盤改良を行うことが大切です。

太陽光発電は、利用していない土地を有効活用する方法としても注目されています。しかし、軟弱地盤にソーラーパネルを設置したために、多額の修理費が発生したケースも珍しくありません。

ソーラーパネルの基礎には、コンクリートや鋼製の杭が使用されます。土地の地盤が強固なら支障ありませんが、軟弱地盤なら問題です。ソーラーパネルは軽いので風の影響を受けやすく、パネルごと抜けてしまう恐れがあります。

軟弱地盤に杭を打ち込んだことで杭が沈み、架台が歪んで、ソーラーパネルの列がガタガタになってしまうこともあります。この状態を放置しておくと、ソーラーパネルに負担をかけ、やがてパネル内部のセルに深刻なダメージが加わります。パネルがねじれていることでセルを保護する強化ガラスがたわんで、セルにひびが入るのです。ひびはだんだん大きくなり、数年後には発電量を大幅に下げることにつながります。

このように、軟弱地盤で太陽光発電を行うのは長い目で見るとリスクが高いのです。

軟弱地盤の例としては河川の付近や田んぼ・造成地などがありますが、例えば長く住宅地として利用されていた土地が実は軟弱地盤だったということもあります。軟弱地盤かどうかは見た目では判断できません。地盤調査によって地盤の強度や土質を確認することが必要です。調査によって地盤の強度が十分でないと判断されれば、土質や環境条件に合った地盤改良を行います。

地盤改良ではセメントや石灰などの固化材を使うのが一般的です。セメントは恒久的に強度を保ちたい場合に使うことが多く、石灰は一時的な固化に使うことが多いといえます。周辺の環境に与える影響が心配な場合は石灰を使います。例えば周辺を田畑に囲まれており、田畑の持ち主から農作物への影響を心配する声が出たために石灰を使うというイメージです。

地盤改良のコストを嫌う事例も見受けられますが、発電量を確保するためには必要な工程といえるでしょう。