一軸圧縮試験と地耐力

2019年03月01日 地盤改良

一軸圧縮試験は、地盤改良工事の耐圧性能を評価・測定するのに欠かせない試験です。一軸圧縮試験以外にも種類があります。浅層混合処理工法や中層改良工法などで地盤改良を行った後、目的に応じて改良土の圧縮試験を行いながら、強度を確認します。

横から圧力を加えず、一軸で圧縮を行うのが一軸圧縮試験、横からの圧力を加えるのが三軸圧縮試験です。一軸圧縮試験は上下から押しつぶすイメージです。一軸圧縮試験は三軸圧縮試験より簡便に実施することができ、しかも、地盤の力学性状を測定する方法として充分に効果的な方法です。一軸圧縮試験から算出された改良土の強度は、構造物基礎地盤の支持力などの評価に役立つ重要な数値です。 マッドミキサー工法を軸にセメント系固化材を用いて地盤改良を行う株式会社セリタ建設では、品質管理のため、地盤改良の施工後に改良土の一軸圧縮試験を行っています。その意義や方法について説明します。

一軸圧縮試験の結果判明する一軸圧縮強度から粘着力や変形係数を算出することができます。粘着力は一軸圧縮強度の2分の1の値で、かつ、地盤の地耐力と大きく関わります。一軸圧縮強度が高いほど粘着力が強く、地耐力も強いという関係性になります。地耐力とは文字どおり地盤の耐力のことで、kN/㎡という値で表します。地耐力が大きいほど、固く、安定した地盤ということになります。1㎡あたり何kN(キロニュートン。10N=1t)の圧力に耐えうるか、が地耐力です。40kN/㎡の圧力をかけた場合、地耐力が40kN/㎡以上あれば地盤は沈下しないということです。

このとおり、改良土の一軸圧縮試験の結果は、地盤改良の結果、どの程度強固な地盤になったかを確認するために欠かせないものです。

慣習的な手法として、一軸圧縮試験の方法としては、まず、試験用に試験片を6本以上採取します。2週目でまず3本について試験し、平均値を算出します。4週目に残り3本を試験し、これについても平均値を算出します。こうして、改良土で固化が確実にできているかを確認します。試験片の寸法は、直径35mmまたは50mmが標準で、高さは直径の23倍程度とします。この試験片に加圧版、荷重計、変位計などを取りつけた上で測定開始です。試験片を上下から圧縮しますが、その際のひずみ速度は毎分1%の圧縮ひずみが生じる割合を標準とします。

一軸試験の結果をもとに設計強度値を超えた強度が認められた場合、地盤改良の完了です。

株式会社セリタ建設では、一軸圧縮試験の実施による改良強度の確認などによって、安全・安心・確実な地盤改良を行っています。また、経験や勘だけに頼るのではなく、データに基づいた施工、デジタル管理による効率的な施工を目指しています。ホームページに取り組みの一端を紹介していますので、ぜひご覧ください。