道路を地盤改良する様々な方法

2020年12月17日 路床

道路を地盤改良する方法には、バックホウ混合による表層改良や大型基礎機械を使った深層改良の他、改良土を生産するといった方法があります。この記事では、道路建設に際して地盤改良を行うことの重要性や、地盤改良の各種工法の概要とメリットについて説明します。

そもそも地盤改良とは、軟弱で安定性に欠ける地盤の土にセメントや石灰などの地盤改良材を混ぜ合わせ、軟弱地盤を強固な地盤に改良する技術です。防災・減災対策として効果が高く、私達の生活インフラを支える大切な技術といえます。道路を建設する前に地盤改良を行うことで、災害時の道路陥没や液状化などを防ぎます。また、地盤改良した地盤では道路の舗装厚が薄くて済むというメリットもあります。 

地盤改良には様々な方法があります。使用する地盤改良材によってセメント改良・石灰改良と分類することもありますが、施工方法に着目して分類すると、軟弱地盤の地表から23mまでを対象として原位置で改良層を造成する方法・地盤の深部を原位置で改良する方法・改良土を作る方法・掘削した土を天日で乾燥する方法に大別できます。

まず、原位置で改良層を造成する表層改良について説明します。散布したセメントや石灰などの改良材と軟弱土をバックホウ混合した上で、ローラー等でならし固めます。原位置で改良を行うこの方法では、軟弱土の処分が不要で、強靭な土を別の場所から搬入する作業も必要ありません。このため、短期間・低コストで工事が完了できます。

次に、地盤の深部を原位置で改良する方法として、原位置の軟弱な土に改良材を加え、撹拌混合することで地盤中に強靭な改良土を造成する工法があります。これは軟弱地盤が深い場合の施工方法で、作業効率が良く、騒音や振動が小さいこと、狭い場所でも施工できることなどが強みです。

最後に、改良土の作り方を説明します。軟弱地盤から掘削した土を土質改良機と呼ばれる機械に入れ、改良材を加えることで、強い改良土を生産するというものです。土質改良機には自走式とプラント式があります。自走式土質改良機は狭い場所での作業に向いており、土質改良プラントは広大な敷地で大規模に改良土を生産する必要がある場合に用いられます。土質改良機による改良土の生産は、掘削した土を天日で乾燥させる工法と比較し、短時間で完了するというメリットがあります。

地盤の状況や作業するスペースなどを総合的に判断し、最適な地盤改良工法を選ぶことが安全な道路を作ることにつながります。