道路の路床改良の概要

2020年12月21日 路床

道路の路床改良(路床安定処理)は、重要な社会インフラである道路を維持するために不可欠の技術です。この記事では、路床安定処理の意義、改良材の種類や施工方法、品質管理について説明します。路床改良が暮らしの安全と緊密に結びついていることがおわかりいただけると思います。

路床改良とは、路床の地盤が軟弱で構造物を支える力が弱い場合に、地盤の土にセメントや石灰などの改良材を加えて混合・攪拌するなどして強固な地盤を形成する技術です。

路床改良した上で道路を建設すると、道路の陥没や液状化のリスクが小さくなり、安全性が高まります。寒冷地域においては、道路路床改良した地盤が凍上抑制層となる効果もあります。安全面だけでなく、経済面や環境面のメリットもあるのです。路床改良することで道路の舗装の厚さは薄くすることができるため、コストが抑えられます。また、路床改良を含む地盤改良は、建設発生土の再利用方法としても注目されています。

施工にあたっては改良材の選択が重要です。セメント(セメント系)と石灰(石灰系)が代表的な地盤改良材です。セメントは恒久的な使用が予定される構造物の基礎に用いられることが多く、石灰は一時的な固化の目的や、セメントと相性の悪いケースで利用されます。路床改良材におけるセメントまたは石灰の添加量は、改良を行う地盤の特徴や路床安定処理の施工方法、セメント改良材のコンディションなど総合的に判断して計算します。

路床安定処理の施工方法を説明しましょう。スタビライザーやバックホウを使う工法は路床改良の代表的な工法です。路床の地盤に改良材を散布してスタビライザーやバックホウで混合・攪拌し、ローラー等でならし固めることで強固な地盤にします。軟弱な土を掘削して処分する必要がなく、工期も短くて済みます。軟弱地盤が浅い場合に用いられる工法です。

路床改良工法のうち、置き換え工法はより大規模な工事となります。軟弱地盤の一部またはすべてを強度のある良質な土や砂、砕石などに置き換えるのです。無筋コンクリートに置き換えることもあります。

路床改良にあたっては、路床安定処理工の品質管理基準に基づいた試験を行い、改良材や施工状況について確認します。地盤の強度を確保するための大切な手順です。改良材や施工方法の選択は、路床改良の品質と深く関わります。土木工事は経験や勘に基づいて行われるのではなく、安全を守るための高い意識と厳しい品質管理によって行われていることを知っていただければ幸いです。