河床の地盤をセメント改良する工法

2021年01月30日 河床

河床の地盤が軟弱な場合、強度を高めるためにセメントで地盤改良(セメント改良)することがあります。この記事では、セメント改良と石灰改良の使い分け、バックホウ混合などセメントを用いた地盤改良工法、地盤改良の品質管理などについて説明します。

地盤改良でよく用いられる固化材にはセメント固化材と石灰固化材があり、用途に応じて使い分けます。恒久的な強度を求めるならセメント固化材・一時的な固化なら生石灰というケースが多いようです。災害対策として河床の地盤や堤防に恒久的に強度を発現させるためにセメント固化材を使用する・河川内の工事で大型重機を用いますが、河床が軟弱地盤なので石灰で地盤改良するといったケースをイメージしていただけるとよいでしょう。

ただし、固化材の選択は改良を施す地盤の土質や周辺環境などあらゆることを考慮して決定するので、「災害対策なら必ずセメント」「一時的な固化なら必ず石灰」という風に断言することはできません。しかし、セメントは幅広い土質に対応でき、高い強度を実現できるため地盤活用の現場で活用される頻度が高いということはできます。

セメント改良の施工方法で代表的なものはバックホウ混合による浅層改良工法です。セメント固化材を河床の地盤に散布した後、バックホウのアタッチメントによって混合・攪拌することで軟弱な地盤の強度を高めます。地中に円柱状の強固な地盤を築く柱状改良工法は軟弱地盤がより深い場合も対応可能ですし、水中での施工が可能で河床等の地盤改良に適している高圧噴射撹拌工法などもあります。いずれもセメント・セメント系固化材がよく用いられます。

地盤改良工事後、改良土の一軸圧縮試験を行い、設計基準強度と比較します。充分な強度が得られていることが確認できたら地盤改良は完了です。

なお、セメント改良については『セメント系固化材による地盤改良マニュアル』(※)などの参考資料があります。また、当社ホームページにおいてセメント改良におけるセメントや水の添加量などを計算できるツールを公開しておりますのでぜひご活用ください。

https://www.serita.jp/calcula-info/

河床の地盤をセメント改良することで、流域の安全や社会インフラを守っていきます。

 

※『セメント系固化材による地盤改良マニュアル[4]』セメント協会(H24.10