地盤改良における3次元データ管理
2022年08月22日 ICT
地盤改良の現場における3次元でのデータ管理と利用の進展を説明いたします。3次元モデルを活用し社会資本を整備・管理するCIM(Construction Information Modeling)は、国土交通省の推進するi-Constructionにおいても重要な位置を占めています。CIMの導入で、より精緻な地盤改良が実現されていくことでしょう。
ICT施工の概要
セリタ建設では、国土交通省が進めるi-Construction の理念に基づいた、ICT を活用した地盤改良工法の施工管理システムを採用しております。地盤改良は地中での作業であるだけに、「不明点が多い」「きちんと施工されているのか確認できない」という印象を持たれることもありました。しかし、ICT施工によってこれらの疑問と不安は解消されつつあります。
セリタ建設の採用している施工管理システムでは、地盤改良の施工状況をリアルタイムに管理できます。しかも、施工情報は3次元モデルにより視覚的な把握を容易にしているのです。当社独自のマッドミキサー工法(粉体改良方式・スラリー噴射方式。いずれもNETIS登録)に適用し、数多くの現場で実績を重ねています。
システム構成
セリタ建設のICT施工の構成は以下のとおりです。
施工管理システム
平面位置・深度、スラリーの瞬時流量および積算流量、攪拌翼および回転数などの施工情報を可視化し、データを保存・蓄積していきます。
情報管理システム
日時・位置・品質情報・仕様など、施工に関するデータを集約し帳票として出力することで、未施工部分の視認が可能になり、瑕疵を防ぎます。
マシンガイダンスシステム
撹拌・混合作業において、GPS情報を利用した専用管理装置を用いて、機械の誘導および操作を行っています。
今後の展望
土木分野ではCIM(Construction Information Modeling)の取り組みが進んでいます。計画・調査および設計段階から 3 次元モデルを導入し、さらに施工・維持管理の段階において 3 次元モデルを連携させ、関係者間で情報を共有するのです。これによって情報が有効に活用されると共に、一連の作業や体制における効率化・高度化が実現されます。
計画・調査・設計段階で地形データ等の3次元モデルを築くことで、構造計算やコスト比較が容易になり、設計ミスも削減されます。施工段階においては、起工測量結果や施工情報の3次元モデルをデータ追加することで手戻りが削減され、完成データの精緻化が図られます。さらに、維持管理段階で点検・補修履歴等の3次元モデルをデータ追加することで施設管理を効率的に実施できるようになるのです。
セリタ建設においても施工段階のCIMを引き続き推進しつつ、施工や維持管理段階への拡充を図ってまいります。