一軸圧縮強度について

2021年07月31日 地質

一軸圧縮強度について説明します。一軸圧縮強度とは何か、一軸圧縮強度とn値・粘着力・地耐力との関係、一軸圧縮強度を測定する意義を順次解説していきます。これらの用語が地盤改良の品質管理において欠かせないことがおわかりいただけると思います。

一軸圧縮強度とは

一軸圧縮強度(一軸圧縮強さ)はquという記号で表します。側圧がない状態で圧縮荷重を行う際の試供体の最大強度を指します。試供体を鉛直方向に圧縮し、圧縮力を徐々に増します。これによって試供体の強度が増していきますが、ある時点で試供体の圧縮強度はピークを迎えます。その後、強度は低下していきます。ピーク時の強度が圧縮強度です。

尚、三軸圧縮試験は試供体を三方向から圧縮する試験です。一軸圧縮試験は三軸圧縮試験と比較して簡便に実施できる上に、地盤の力学性状を測る有効な方法です。地盤改良の現場で一軸圧縮試験が定着しているのはこのためです。

一軸圧縮強度とn値・粘着力・地耐力の関係

地盤の固さを示す値であるnと一軸圧縮強度は関係があります。一軸圧縮強度とn値との関係はqu=12.5nで表せます。一軸圧縮試験を実施しなくてもn値がわかればquを推定することは可能なのです。n値が20の場合、qu=12.5×20=250です。

次に、一軸圧縮強度と粘着力の関係を説明します。粘着力とは、土のせん断強さ(τ=cσtanΦ)のうち、鉛直方向に関係の無い成分定数cのことです。一軸圧縮強度と粘着力の関係はc=qu/2で表せます。n値から一軸圧縮強度を、さらに粘着力を推定できるということです。n値が20としたらc=12.5×20÷2=125です。

粘着力は地耐力とも深い関わりがあります。一軸圧縮強度quが大きくなると粘着力が強くなり、地耐力も強くなります。地耐力は地盤の耐力のことで、地耐力が大きいほど安定性のある地盤といえます。単位はkN/㎡です。地耐力もn値からおおよそ換算できます。地耐力(目安)=n値×10kN/㎡)です。先述のとおり一軸圧縮強度とn値の関係はqu=12.5nで表せるので、n値が10の場合のquはおよそ125・地耐力はおよそ100n値が20の場合のquはおよそ250・地耐力はおよそ200です。

一軸圧縮強度を測る意義

株式会社セリタ建設では、品質管理として地盤改良後に改良土の一軸圧縮試験を行い確認しています。一軸圧縮強度はn値・粘着力・地耐力と深く関わる重要な指標です。工事がひととおり終わったら完了ではなく、一軸圧縮試験の結果、設計基準強度を超えた値が確認できたときに完了となります。一軸圧縮強度を測ることは地盤改良の成果を確認することなのです。