タンク基礎 地盤改良で安全を保証
2021年08月18日 地質
タンク基礎の安全を守るためにどのようなことが求められるのか、タンク設置許可申請の手続きを通して説明します。さらに、政令の改正によるタンク設置に関する技術基準の変化の一例を紹介し、タンク基礎や構造・地盤の安全について考えていきましょう。
タンク基礎や構造には絶対の安全が求められる
屋外および屋内タンクの設置の許可申請にあたっては、タンク構造図やタンク基礎図・構造計算書などの提出が求められます。ここでは特にタンク基礎図・構造計算書について説明し、タンク設置に際しての安全確保について厳しく規定されていることをお示しいたします。
タンク基礎図・計算書では寸法と配筋を記載します。地震や風圧に耐えることができる構造であることを示さなければなりません。
また、屋外貯蔵タンクに支柱を設ける場合、鉄筋コンクリートなど耐火性能のあるものでなければなりません。添付書類として支柱の構造図が必要です。
底板が地面に接する場合、底板の外面腐食を防止する措置を講じることが求められます。添付書類としてアスファルトサンド等及び雨水浸入防止措置それぞれの構造図及び施工図が必要です。
旧法と新法で異なる技術基準
前項の「アスファルトサンド等」について補足します。「アスファルトサンド等」とは、アスファルトサンドまたはアスファルトモルタル等を指し、オイルサンドを含まないとされます。いわゆる新法タンクと異なり、旧法タンクにおいてはオイルサンドがしばしば用いられています。屋外タンク貯蔵所のうち貯蔵または取り扱う液体の危険物の最大数量が1000kl以上のものについて、タンクの設置年度により新法タンクと旧法タンクに分類されます。昭和52年2月15日に施行された政令(昭和52年2月1日政令第10号)に基づく技術基準を「新法」と呼び、新法の施行日以降に設置許可申請されたタンクが新法タンクです。一方の旧法は昭和34年9月26日政令第306号に基づく技術基準のことです。
旧法タンクについては防食材としてオイルサンドが用いられている他にもタンク基礎や構造に関する懸念事項が指摘されており、対策が課題となっています。タンク基礎や構造の抱える問題はタンクの耐用年数とも大きく関わってきます。タンクの設置年度やタンク基礎・構造を考慮した上でメンテナンスしていくことが安全のために求められます。
まずは地盤の安全確保が必須
新法タンクは旧法タンクと比較して、より安全面に配慮した技術基準が適用されています。いうまでもなく、今後設置されるタンクは新法の技術基準に基づき最新の知見を活かして建設されることでしょう。タンク基礎や構造に関して厳しい規制が設けられているのと同様、タンクを築く地盤についても、安全のために強固であることが定められています。タンク建設の際の地盤改良についてもどうぞセリタ建設にご相談ください。