n値と地耐力(地耐力の算出方法)

2022年11月14日 地質

 n値とは地盤の強さを示す指標で地耐力とn値×10で表せる関係性にあります。地耐力はn値から概算します。加えて現場では平板載荷試験等を行い、算出された地耐力を確認します。ここでは、地耐力の算出に重要な3項目(荷重の分散・粘着力・土被り厚)に関して説明します。

地耐力の算出方法

撹拌状況

n値とは

n値とは、地盤の”強さ”を示す指標の一つで、この値が大きいほど、土の締まり具合が高い地盤であることが分かります。通常、土木や建築工事において、施工地盤を調査するとき、目に見える地表面の状態だけでは、その地盤が施工に適した地盤かどうか判断できません。透水層や軟弱地盤の有無により、液状化現象が発生しやすいようでは、安全・安心な施工は困難になります。そこで、地盤強度を試験によって測定することで、n値という数値化された指標を基に判断します。n値の算出方法は、標準貫入試験やスウェーデン式サウンディング(SWS)試験などの地盤調査によって算出されます。ここで、n値の単位に関する補足ですが、n値は、無次元数のため単位はありません。

 

n値と地耐力の関係

地耐力とは、地盤の耐力を示し地耐力が大きいほど、堅い地盤のため重量物を支えることが出来ます。単位はkN/㎡で、単位平米当たり何kNまで耐えられるか?示します。n値との関係は、地耐力=n値×10の計算で地盤の概算的な地耐力を想定できます。具体的に例えば、N値30の地盤では、地耐力= 30×10 = 300kN/㎡です。

 

地耐力の計算方法

上述の通り、地耐力はkN/㎡で示してn値から算出します。加えて、実際に、現場で同様の地耐力があるか平板載荷試験等を用いて確認します。平板載荷試験の試験概要は、現場で想定支持層の上に直径30cmの鉄板を敷きます。これに反力装置やジャッキを取り付け、架台を組みます。その上に重量物(通常、バックホウなどの重機)を載せ、時間の経過と地盤の強度を測定します。地耐力の算定式は、荷重の分散効果・土の粘着力・土の土被り厚の3項目を確認します。

・荷重の分散効果

面積が大きいほど土に作用する範囲が広くなります。面積の大小で作用力を確認します。これは基礎の形状により決まり基礎幅が大きいほど地耐力も大きくなります。

・土の粘着力

粘性土は、粘着力(C)を保有しています。粘着力は大きいほど地耐力も大きくなります。また、粘着力はn値とも関係しており、n値が大きいほど粘着力も大きいです。

・土の土被り厚

土上に置かれた基礎と土中に埋められた基礎では、土中に埋められた基礎の方が、地耐力が大きくなります。