砕石パイル工法について
2021年07月27日 地質
砕石パイル工法について概要やメリット・デメリットを説明します。砕石工法は他に砕石置換工法があり、そちらも解説していきます。砕石工法の特徴を知っていただいた上で、地盤改良工法の決定には慎重な判断が必要だとご理解いただければ幸いです。
砕石工法とは、砕石(小さく砕かれた天然石)を使った地盤改良工法です。砕石パイル工法は、砕石を地面に詰め込んで石柱(パイル)を地中に何本も形成して地盤の強度を高めます。砕石置換工法は、軟弱な地盤のすべてまたは一部について砕石置き換えを行うことで改良します。
砕石パイル工法のメリット・デメリット
砕石パイル工法のメリットは次のようなものがあげられます。まず、石柱および現地盤が面全体で地盤上の構造物を支えるため、地震の揺れに強いといわれます。また、砕石にはドレーン効果(排水効果)があるので地震が起こった際の液状化を抑制します。杭を使う工法と違って強固な地盤がなくても施工できるため、幅広い地層で施工できる点も特徴です。さらに、有害な物質が生じるリスクが小さいのも利点といえるでしょう。
砕石パイル工法のデメリットとしては、施工に際しては、石柱を形成する際に除去した土を処理する費用も生じます。さらに、砕石パイル工法を施工可能な業者が少ない点もデメリットといえるでしょう。掘って開けた穴の形状を崩さずに砕石を投入する作業は難しいので、施工実績の少ない業者に依頼すると地盤を補強するというそもそもの目的が達成できない恐れがあります。
砕石パイル工法については、実際に災害が起きて周辺の地面が変形した場合に構造物を支えられるか疑問視されることもあります。また、先ほど地震の揺れに強いと申し上げましたが、セメントや杭を使った工法と比較しても強いとまではいえません。
砕石置換工法のメリット・デメリット
砕石置換工法のメリットは、砕石パイル工法と同様に、幅広い地層で施工できる点・有害な物質が生じるリスクが小さい点です。
砕石置換工法のデメリットは、費用が高くなる傾向があり、施工範囲が広いケースや軟弱地盤が深いケースでは特にその傾向が強くなる点です。広範囲の地盤改良や軟弱地盤が深い土地は向いていないという見方もあります。また、除去した土を処理する費用も生じます。さらに、施工できるほどの量の砕石を置くヤードを確保することが困難という点も留意しておくべきでしょう。
さまざまな工法を検討した上で、どの工法が諸条件に最も合うのか吟味することが大切です。