浅層・中層改良工法で地盤改良する
2021年03月19日 地質
浅層・中層改良は種類豊富な地盤改良工法の中でも代表格といえます。多くの場合セメントまたはセメント固化材を用います。セメントは石灰などと比べて安価ですし、浅層・中層改良工法もまた他の工法より費用が安く済む傾向があります。浅層・中層改良工法の概要や特徴を説明します。
浅層・中層改良工法は地表から2~10m程度の深さの原位置でバックホウ混合する地盤改良工法です。軟弱地盤が浅い場合は、工期が短い・費用が安いといった特徴があります。
浅層・中層改良工法のメリットをあげると、まず作業効率が高い点があげられます。浅層・中層改良工法が、他の地盤改良工法と比較して短期間でかつ費用を抑えて施工できるのはこのためです。また、浅層・中層改良工法は小型重機でも施工できるため、狭い土地や、高低差がある土地にも対応できます。さらに、浅層・中層改良工法は幅広い土質の地盤に適用できる点もメリットです。
浅層・中層改良工法のデメリットは、軟弱地盤が深い場合は逆に費用が高くつく点です。また、地下水位が地盤より高い所にある土地や、勾配のきつい土地では浅層・中層改良工法による地盤改良が難しいことがあります。さらに、施工者の技術によって仕上がりの精度が左右されすい点もデメリットといえるでしょう。地盤改良を依頼する場合には、実績豊富な業者かどうかを吟味する必要があります。
軟弱地盤が深い土地や地下水位が地盤より高い所にある土地など、浅層・中層改良工法が向いていないとされる土地においては、柱状改良工法や鋼管杭工法によって地盤改良します。
浅層・中層改良工法の手順を説明します。バックホウで軟弱地盤を掘削した上で、掘削した範囲の土を均一にならします。次に、セメントまたはセメント固化材を加えて土と混ぜ合わせます。十分に攪拌できたらバックホウで締固めた上で、ローラー等を用いて均一にならします。この手順を数回繰り返すことで、地盤の強度特性や圧縮特性、透水性が改善され、地盤上の構造物の安定に繋がります。
浅層・中層改良においては固化材や水の計算が非常に重要です。セリタ建設では地盤改良に役立つ自動計算ツールを公開しているのでぜひご利用ください。