ガス貯蔵所の安全に関する規制

2021年10月30日 地質

ガス貯蔵所の設置工事などについては法律や条例によって細かく規定されています。暮らしを支える設備が重大な事故を起こすことを防ぐためです。この記事では高圧ガスの貯蔵所の区分や各種申請を紹介し、地盤改良も安全対策のひとつであることを説明します。

高圧ガスの貯蔵について

生活や産業で幅広く用いられている高圧ガスは現代社会に不可欠な存在ですが、扱い方を誤ると大規模な事故が発生する恐れがあります。このため、ガス貯蔵については高圧ガス保安法・消防法・市町村の条例などで細かく規定されています。

ガス貯蔵庫・ガス貯蔵タンクなど様々な呼び方がありますが、この記事でいう貯蔵設備の定義は、貯槽と配管によって高圧ガスの処理設備または減圧設備などと連結されている容器で、かつ、高圧ガスを高圧ガスの状態で貯蔵するものです。ただし、タンクローリー上の容器および充てんを受けている容器については貯蔵設備に含みません。

ガス貯蔵所の区分

ガス貯蔵所は大きく分けて第一種貯蔵所と第二種貯蔵所があります。

第一種貯蔵所は、容積が1,000 ㎥(液化ガスの場合は10t)以上、第一種ガスであれば3,000 ㎥(液化ガスの場合は30t)以上の高圧ガスを貯蔵するものです。事前に都道府県知事の許可を受けて設置します。

第二種貯蔵所は、第二種ガスであれば容積300㎥(液化ガスの場合は3t)以上1,000 ㎥(同10t)未満、第一種ガスであれば 容積300㎥(同3t)以上3,000㎥(同30t)未満の高圧ガスを貯蔵するものです。事前に都道府県知事へ届け出て設置します。

なお、貯蔵設備が2つ以上あるケースの容積の計算は、両者の接続の有無や両者の距離などを考慮して、ガス貯蔵量を合算するか・両者を別々に計算するかを決定します。

ガス貯蔵所に係る各種手続き

前述のとおり、第一種貯蔵所は設置許可申請、第二種貯蔵所は設置の届け出が必要なのですが、位置・構造・設備の変更の工事についてもそれぞれ許可申請および届け出が必要です。第一種貯蔵所の場合、設置または変更の工事が完了した後に完成検査を受けます。また、第一種貯蔵所の譲渡または引き渡しがあったときは、譲渡または引き渡しを受けた者が承継者となり、その旨を都道府県知事に届け出なければなりません。さらに、第一種貯蔵所・第二種貯蔵所ともに、用途を廃止する際はすみやかに都道府県知事に廃止届を提出する必要があります。

 

このように申請や届け出が求められるのは、ガス貯蔵所の安全を確保するためです。ガス貯蔵所の設備そのものが綿密な設計のもと建設されることはもちろん大切ですが、安全のためには貯蔵所の下の地盤が強固であることが欠かせません。設置前の地盤改良はぜひ当社にお任せください。