cpp工法のメリットおよび注意点
2021年10月21日 CPP工法
cpp工法で行う地盤改良にはどのようなメリットがあり、どのようなことに注意すればよいのでしょうか。この記事では、「地盤改良とは何か」「なぜ地盤改良を行うのか」といった地盤改良の基礎知識から、代表的な地盤改良工法およびcpp工法の概要まで説明します。
地盤改良とは
構造物を築く際は、まず地盤が強固かどうかを確認し、地盤が弱ければ地盤を補強する工事を行います。充分な強度のある適切な地盤に改良する工事が地盤改良なのです。
なぜ地盤が弱いといけないのでしょうか。それは、弱い地盤では時間の経過とともに地盤沈下が起こり、地盤上の構造物の倒壊・崩壊を招くからです。地盤に充分な強度があるかどうかは、地盤調査をもとに判断します。スウェーデン式サウンディング試験やボーリング調査が地盤調査の代表例です。
地盤改良でよく用いられている工法としては、軟弱土を原位置で固化材と混合して地盤の強度を高める浅層改良・混合処理および中層改良・混合処理、円柱状の強固な地盤を地中に形成して構造物を支える柱状改良、地中に鋼管を埋めて構造物を支える小口径鋼管杭工法などがあります。
cpp工法とは
cpp工法では、先端翼を装着した細径鋼管と原地盤の両方で支えることで地盤の支持力を増し、沈下を抑制します。鋼管杭工法より細い杭で支えるので、費用を抑えることが可能です。
鋼管杭工法などと比較すると頼りない印象を受けるかもしれませんが、鋼管杭工法において鋼管のみで構造物を支える設計がなされる一方、cpp工法においては、原地盤の支持力を補う設計がなされています。cpp工法で用いる細径鋼管が負担する力と、鋼管杭工法で用いる鋼管が負担する力とを比較すると、前者のほうがはるかに小さいのです。また、cpp工法では、細径鋼管に作用する力が、材料の強度以下になるように設定されています。
cpp工法の施行で地盤が充分な支持力を確保できるように設計されているのでご安心ください。
cpp工法のメリットと注意点
cpp工法のメリットとしては、細い杭を使用することなどによって資材の費用を抑えられる点です。さらに、cpp工法では、工事用の電源や施工用の水・セメントなども用意する必要がありません。コスト抑制に加えて労力削減にもつながります。
施工時間が短いことも大きな特長です。地盤改良が短時間で済む上に、セメントを用いないため養生期間をとる必要がなく、すぐに基礎着工を始められます。
注意点は、高さ6mを超える構造物を築く際の地盤改良には適さない点です。また、基礎下や先端翼の下に圧密沈下の可能性が高い地盤がある場合は避けたほうがよいでしょう。
構造物や地盤の特性に応じた地盤改良を行うことをおすすめします。