建設DXが遅れている業界の現状とデジタル化で解決できる課題について
2024年07月11日 建設DX
建設業界ではデジタル技術を活用したDX化の取り組みが推進されていますが、現状としてDX化は遅れています。
ここでは、建設業界における現状と、DXで解決できる課題についてまとめました。
建設業界はDX化が遅れている現状にある
まずは、建設業界でDX化が遅れている点について、詳しく見ていきましょう。
デジタル化に取り組んでいるものの、プロセスごとに格差がある
野原ホールディングスが建設関連事業者に行ったアンケートによると、全体の36.9%が「デジタル化に取り組めている」と回答しました。
とはいえ、業務プロセスごとに導入格差があり、以下のようにそれぞれデジタル化が進んでいると感じているようです。
- 設計:48.4%
- 積算:36.4%
- 拾い作業:25.2%
- 施工:31.9%
- 維持管理:32.4%
参考:https://built.itmedia.co.jp/bt/articles/2108/26/news035.html
図面から材料の数量を把握する拾い業務については、デジタル化を実感できているのは全体の11.7%を下回る割合となっており、導入格差があることが分かります。
DXが遅れている業務とは?
DXについて、株式会社インフォマートは建設業の関係者を対象としたアンケートを行いました。
なかでも「取引先との受発注業務で課題を感じる業務は?」という問いに対し、次のような回答結果となっています。
- 発注書・発注請書のやり取り:46.3%
- 契約書のやり取り:46.3%
- 請求書のやり取り:41.7%
参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000330.000013808.html
これらの帳票作成について、多くの企業はエクセルやワードを使い手作業で行っています。また、完成した帳票の送り方については、メールが49.4%、FAXが11.2%、口頭(対面)が10.5%となっており、紙ベースで行われているのが現状です。
建設業の課題はDXで解決できる可能性が高い
DX化が遅れている建設業ですが、DX導入によって以下の課題を解決できるとされています。
- 業務におけるリスクの抑制
- 職人施術の継承
- 過重労働の防止
AIや情報技術を活用することで、危険な作業を機械化できるため、業務におけるリスクの抑制に繋がります。ドローンなどを使って遠隔で確認することにより、万が一事故が起きても人が巻き込まれるリスクをゼロにできます。
また、習得に時間のかかる職人技術を継承するためには、かなりの時間が必要です。このような若手教育において、DXの導入によって技術をデジタルツールでマニュアル化し、AIにデータを蓄積していけます。
そして、DXによって機械化できる作業が増えることで労働時間を削減し、過重労働を防止できます。