建設DXの概要と国土交通省が進める遠隔臨場の取り組みについて解説
2024年04月05日 建設DX
インフラ分野においてDXを推進する取り組みが行われており、さらに遠隔臨場の導入が広まっています。
今回は、インフラのなかでも建設業におけるDXの概要と、建設現場への遠隔臨場の導入効果などについてまとめました。
建設DXとは?
建設DXとは、AIやloTなどのデジタル技術を建設現場へ導入し、業務の効率化や安全性の向上を図る取り組みです。
建設業界でDXが推進される背景には、感染症などによる影響でリモートワークの需要が高まったほか、建設業界における慢性的な人手不足が原因として挙げられます。
現在の事業における効率や生産性を高めて安全・安心な現場環境を作り、中長期的な技術の継承に向けて、デジタル技術を活用した施工や現場管理に取り組む企業が増えています。
建設DXの取り組みとして建設現場への遠隔臨場を導入
国土交通省は、令和4年度より遠隔臨場の本格実施をスタートし、インフラ工事の建設現場における作業をリモートで行う取り組みが行われています。
ここでは、遠隔臨場とは何かについて解説したのち、遠隔臨場導入の概要とその効果について紹介します。
遠隔臨場とは?
遠隔臨場は、インフラ分野のDXを推進するために移動や立ち会いの調整時間を削減し、生産性向上を目的として導入されました。具体的な内容は、ウェアラブルカメラなどによる音声と映像の双方向通信を使い、「段階確認」「材料確認」「立会」を行うというものです。
動画撮影用のカメラスペックは国土交通省によって定められており、次の通りです。
項目 | スペック |
映像(カラー) | 画素数:640×480 以上 フレームレート:15fps 以上 |
音声 | マイク:モノラル(1 チャンネル)以上 スピーカ:モノラル(1 チャンネル)以上 |
また、会議システムの回線速度や通信速度、画質なども明確に定められています。遠隔臨場の詳しい試行要領については、建設現場における遠隔臨場に関する実施要領をご覧ください。
遠隔臨場導入の効果
遠隔臨場の導入によって、次のような効果やメリットを得られます。
- リモートワークの実現
- 人手不足の解消
- 人件費の削減
- 効率的な人材育成
現場作業がメインであった建設業界において、リモートワークの環境が実現したのは、DX化に向けて大きなメリットといえます。
また、業界の課題であった慢性的な人手不足についても、作業の進捗をリモートかつリアルタイムで確認できれば立ち会い確認の手間が省けるため、結果的に人手不足の解消につながるでしょう。これらは業務の省力化にも繋がり、人件費の削減も期待できます。
そのほか、遠隔臨場の導入によって新人に対して有識者が現場で直接指導する必要がなくなったため、効率的な人材育成が実現します。