建設DXはなぜ導入が遅れている?5つの要因と導入効果について解説
2024年08月05日 建設DX
建設業界は慢性的な人手不足の問題を抱えており、人件費削減や生産性向上のために建設DXへの対応が求められています。しかし、実際の現場への導入は遅れている状態であり、従来と同じ手法で業務を行っている企業は多く存在します。今回は、建設DXを遅らせている要因とDXの導入で期待できる効果についてまとめました。
建設DXを遅らせている5つの要因
建設DXが思うように進まない背景には、さまざまな要因があります。ここでは、5つの項目に絞って紹介します。
プロセスごとの導入格差
建設業界全体で「建設DXに取り組んでいる」という意識はあるものの、プロセスごとの導入格差によりデジタル化が実感できないことが要因として挙げられます。野原ホールディングスが行ったアンケート結果によると、デジタル化が進んでいるプロセスごとに差があり、デジタル化できない作業が多いと感じている人も多いようでした。
参考:https://built.itmedia.co.jp/bt/articles/2108/26/news035.html
IT人材の不足
建設DXの導入には、ITリテラシーの高い人材が必要です。しかし、慢性的な人手不足問題を抱える建設業界では、通常業務の人材確保に追われているため、DX導入の検討そのものが難しい状況にあります。
建設業界の下請け構造
建設業界は、元請としてゼネコンや住宅会社が案件を受注し、下請けとして協力業者が業務を行います。協力業者は小規模な企業であることが多く、建設DXの導入コスト不足により、アナログ業務を削減できない現状にあります。
アナログ業務の習慣化
建設業界はアナログ業務が習慣化しており、「紙の図面チェック」「郵送での書類送付」「オフラインでの会議」など、従来のやり方で滞りなく業務を行えています。そのため、建設DXのメリットを知っていても慣れ親しんだやり方を好む方は多く、導入が難しくなっています。
DXにおける共通規格がない
建設DXと一言で言っても、BIMやICT、クラウドサービスなど、さまざまな規格があります。業界共通の規格が存在しないため、導入側が管理しきれないことも要因の一つです。
建設DXの導入で期待できる効果
建設DXの導入で期待できる効果は、次の3点です。
- 業務の効率化
- ペーパーレス化
- 職人技術の継承
DXによって、アナログ業務をデジタル技術によって効率化できるほか、紙での業務が主流だった建設業界へDXを導入すれば、紙の使用を削減できるでしょう。また、職人技術をデジタルデータに残すことで若手に技術を継承できるため、DXは人材育成にも活用可能です。
参考リンク
https://www.kenrebui-dx.com/statusquo/delay.html
https://www.sbbit.jp/article/cont1/92735
https://kenchikugenba-knowledge.com/kensetsudx-app3/