建設DXとは?DXの概要や国土交通省の取り組みについて解説

2023年05月17日 建設DX

DX(デジタルトランスフォーメーション)は、さまざまな業界で導入が促進されています。ここでは、建設業界におけるDXとの関係性や国土交通省の取り組みについて解説します。

国土交通省の取り組み

建設DXとは?

そもそもDXとは、デジタル技術を使った業務変革のことであり、さまざまな業界で導入が推進されている現状にあります。

インフラ事業におけるデジタルトランスフォーメーションの促進

国土交通省はインフラ事業におけるDXの促進に取り組んでおり、次のような定義を掲げています。

社会経済状況の激しい変化に対応し、インフラ分野においてもデータとデジタル技術を活用して、国民のニーズを基に ~社会資本や公共サービスを変革~ すると共に、 ~業務そのものや、組織、プロセス、建設業や国土交通省の文化・風土や働き方を変革~ し、インフラへの国民理解を促進すると共に、安全・安心で豊かな生活を実現すべく、省横断的に取組みを推進します。

引用:国土交通省 インフラ分野におけるDXの推進について

 

DX推進の背景には、将来的に懸念される人手不足やインフラの老朽化、災害リスクなどの課題が挙げられます。

建設業におけるDXの課題

建設業ではDXの導入が特に重要視されており、慢性的な人手不足や長時間の重労働、生産性の低さなどの課題の解決が期待されます。

しかし、建設業へのDX導入は他の業界よりも遅れており、その理由として「デジタル化への苦手意識」が挙げられます。これまでと異なるやり方に慣れるほうが難しいと感じている人も多く、なかなか業界全体へ浸透しない傾向にあるようです。

建設DXは技術の継承にも役立ち、属人化していた作業をマニュアル化できることもメリットといえます。そのため、人手不足が問題視される建設業界において、DXの導入は欠かせないポイントとなるでしょう。

インフラDXの普及に向けた国土交通省の取り組み

インフラDXを普及するために、国土交通省は次のような取り組みを行っています。

  • BIM/CIMの原則適用
  • デジタル技術を活用したシステム整備
  • 人材育成の強化

それぞれの内容について解説します。

BIM/CIMの原則適用

国土交通省は「2023年までに小規模を除く全ての公共事業において、BIM/CIMを原則適用」することを決定しています。BIM/CIMとは、3Dデータを活用した設計によって全体のプロセスを連携させることであり、BIMは建築、CIMは土木分野において使われます。

デジタル技術を活用したシステム整備

情報共有システムや施工管理ソフト、BIM/CIMなどのデジタル技術を活用し、オンラインによる施工管理・品質管理を実現するためのシステム整備が行われています。ICTによる業務効率化だけでなく、人間による監視が必要な部分については適切に確認を実施し、工事の品質を確保していけるでしょう。

人材育成の強化

現場や研究所と連携した推進室を発足し、DXを促進するための人材育成にも取り組んでいます。

上述したシステム整備に加え、それらのシステムを活用するための人材育成を各データセンターにて実施しています。