総合評価に求められる品質管理とは?公共工事における品質管理の重要性

2024年04月01日 総合評価

総合評価では、工事における品質の確保を証明することが欠かせません。

今回は、公共工事の品質不良によるリスクや、品質確保に関する法律を紹介します。

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公共工事の品質不良によるリスク

公共工事における品質不良は、さまざまなリスクを伴います。以下に、実際の例を元にした具体的なリスクとそれが引き起こす影響についてまとめました。

 

リスク例

及ぼす影響

トンネルの一部で覆工コンクリート厚の出来形不足

(山形新聞 14.11.1

覆工コンクリートの不足は、トンネルの構造的な強度を減少させ、安全性に影響を及ぼす。本来不要であった補修工事が必要となり、片側交互通行規制が約1年間発生することで、交通の混乱や遅延が生じる。

橋梁橋脚の耐震補強用アンカーボルトの定着長不足

(中日新聞 15.2.18

耐震補強の不足は橋梁の耐震性を低下させ、地震時の安全性に重大な問題を引き起こす。落橋防止機能が働かず、大震災時に安全確保ができないため、交通の中断や事故のリスクが高まる。

アーチリブの横支材の製作方法の誤り

(福島民友新聞 15.4.1

製作方法の誤りは橋桁の水平方向のずれを引き起こし、構造的な問題を発生させる。是正工事が必要となり、道路供用の期間が1年間長引くことで、地域の交通インフラの利用に影響を及ぼず。

参照:公共工事の品質確保について(国土交通省)

 

これらの品質不良は、安全性・交通の遅延・事業の延期など、多くの問題を引き起こす可能性があります。そのため、公共工事においては品質管理と適切な監督が非常に重要であり、品質不良の早期発見と対応が必要です。

また、万が一品質不良が発生した場合には、迅速かつ効果的な修復対策が求められます。

 

公共工事の品質確保の促進に関する法律の要点

国土交通省が発表している「公共工事の品質確保について」によれば、公共工事の品質確保の促進に関する法律は次の3点がまとめられています。

 

  • 公共工事の品質確保に関する基本理念及び発注者の責務の明確化
  • 『価格競争』から『価格と品質で総合的に優れた調達』への転換
  • 発注者をサポートする仕組みの明確化

参照:『公共工事の品質確保の促進に関する法律』のポイント

 

これらの要点は、公共工事における品質確保と調達プロセスの改善を図るために設けられた法的枠組みであり、技術提案の際に意識すべき点といえます。公共工事では品質の確保が特に重要となり、適切な工期で完了させるためにも欠かせません。