総合評価では何が求められている?安全性向上につながる技術とは?

2023年12月14日 総合評価

建設業の総合評価落札方式における技術提案では、目的の一つとして安全性の向上が挙げられます。

とはいえ、具体的にどのような提案をすべきなのか、安全性を意識した技術提案とはなんなのか分からない方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、総合評価に求められる安全性についてまとめました。

 

安全性向上

総合評価における目的の一つは「安全性の向上」

技術提案における目的の一つとして、安全性の向上が挙げられます。

前提として、技術提案は入札価格の範囲内で品質、効率性、そして安全性を向上させる工夫を基本としているため、過度なコストが必要で工事費を圧迫してしまうような提案は求められません。この要求に従うことで、受注者の利益損失や技術提案に含まれない粗雑な施工、下請契約の問題を避けやすくなるでしょう。

これらについては、公共工事の品質確保に関する法律において、工事受注者の利益を確保し、下請企業へのしわ寄せを防ぐことが求められています。

また、コスト縮減への取り組みが見られても安全性を確保できないような過度な提案も、評価の対象外とされるため注意が必要です。品質・効率性・安全性のいずれにおいても、過度な負担を要する提案は良質な技術提案とは呼べません。

工事の安全性向上を図るためにも、適切かつ費用対効果の高い提案が重要となります。

 

総合評価に求められる安全性とは?

上述の通り、技術提案では安全性のほかに品質と効率性も求められています。また、技術提案に求められる安全性は、入札価格の範囲内で品質・効率性・安全性を向上させる工夫を基本としているため、過度なコスト負担を必要とする提案は求められません。

技術提案に求められる安全性は、国土交通省直轄工事における品質確保促進ガイドライン

に示されています。これに基づき、業務は高度技術提案型、標準型、簡易型の3つに分類されます。

高度技術提案型および標準型の工事では、安全性や実現性向上のために、以下の項目で技術提案が求められ、審査・評価が行われます。

施工計画

●     技術提案に関連する具体的な施工計画

技術提案

●     総合的なコストの縮減に関する技術提案

●     工事目的物の性能や機能の向上に関する技術提案

●     社会的要請への対応に関する技術提案

技術提案において、安全性向上は重要な評価基準の一つとなります。技術提案を通じて、工事の安全性を確保し、品質を向上させる取り組みが求められるでしょう。