総合評価落札方式でコスト削減を訴求する方法とは?ポイントを解説
2023年10月13日 総合評価
総合評価落札方式で技術提案書を作成する上では、効率性や安全性などさまざまな観点からアプローチする必要があり、コスト削減もその一つです。とはいえ、コスト削減を意識した技術提案書の書き方についてよく分からない方も多いのではないでしょうか。
今回は、コストダウンを図る技術提案の書き方について解説します。
技術提案にコストダウンが求められている
厚生労働省の「国土交通省直轄工事における 技術提案・交渉方式の運用ガイドライン」によると、仕様書の記載例として以下の記述があります。
“(6) 技術提案
受注者は、優先交渉権者選定時に提出した技術提案の内容に関わらず、コスト縮減
や工期短縮、施工時の制約条件への対応、周辺環境への負荷の低減等に有効な技術提
案を必要に応じて行う。“
こちらは記載例ですが、技術提案においてコスト縮減を提案することは、評価点アップにもつながるでしょう。
コストダウンを図る技術提案書の書き方
コストダウンを図る技術提案手法の一つに、VE(バリュー・エンジニアリング)があります。
VE提案は工事の全てのフェーズで使える方法であり、品質を維持(もしくは向上)させつつコストダウンを目指せる手法です。
VE提案は、主に以下の手順で行います。
- 情報収集
- 情報整理
- 情報の分析
- 技術提案
- フォローアップ
- 提案内容の評価
まずは、情報収集を行います。対象に関するコスト、必要な技術、品質基準、顧客ニーズ、競合他社の情報など、できるだけ多くの情報を収集することが重要です。情報収集は問題点の把握に役立ち、提案内容を競合他社から差別化するのにも貢献します。
次に収集した情報を整理し、定義を付ける作業を行います。建設業界は対象物によって求められる機能が異なるため、目標を設定し、各機能や情報を関連付けながら整理することがポイントです。
その後、整理した情報を分析し、分析結果から機能ごとの目標コストを設定しましょう。分析を通じて、提案の具体的な方向性を見つけ出すことができます。
ここまで完了したら、VE提案を発注書に記入していきます。建設業界における提案書は一般的に書式が決まっているため、主催者が提示した提案書の書式に従いましょう。
さらに、VE提案を提出したら、結果が出るまでの間にフォローアップが必要です。報告書を作成し、提案内容の評価やコスト削減の実績、目標達成状況などをグラフや必要な書類を添付してまとめましょう。
そして、全ての作業が完了すると最終的な評価が行われます。提案書を見直し、社内や関係者と情報共有を行いましょう。