総合評価における類型とは?種類や加点要素、評価基準を確認
2023年12月14日 総合評価
建設業界における総合評価落札方式には種類があり、それぞれ求められる技術提案の範囲が異なります。
今回は、それぞれの評価型の概要や加点要素についてまとめました。
技術提案評価型 S型
技術提案評価型 S型は、標準案における工夫の提案を求めるもので、総合的なコストを抑え、品質を向上させることが目的です。
ただし、発注者からの標準案と予定価格が存在するため工事の目的物自体についての提案は求められず、技術提案の範囲は「施工する上での工夫」に限られます。
また、国土交通省が2021年11月16日に発表した「生産性向上に関する取組を入札時の総合評価において評価」では、技術提案の加点要素についてまとめられています。
技術提案評価型S型では、ICT活用による生産性向上の取り組みが加点要素となり、対象は次の2つの工事です。
- 入札参加者が多く見込まれる工事
- 同一工種の施工量が大きく生産性向上の効果が大きいと想定される工事
ICTの活用を通じて、工事の生産性向上を実現する技術提案が重要視されていることが分かります。
技術提案評価型 AⅢ型
続く技術提案評価型 AⅢ型では、標準案に対する以下の提案が求められます。
- 部分的な設計の変更を含む工事目的物に対する提案
- 高度な施工技術や特殊な施工方法を活用した品質向上・コスト縮減・工期短縮
この型では、発注者からの標準案と予定価格が存在し、求める技術提案の範囲は「部分的な設計変更を含む工事目的物に対する提案」および「高度な施工技術等にかかる提案」となります。
技術提案評価型 A II型
次の技術提案評価型 A II型では、そもそもの標準案が存在しません。工事における構造形式と工法が複数想定されるため、幅広い提案が求められています。
この型では、複数の案の中から最適な案に決定するための選択肢として、最初から一つの構造や工法に絞るのではなく、幅広い技術提案が必要です。発注者からの標準案も予定価格も存在せず、技術提案の範囲は「工事目的物」と「施工方法」が求められます。
技術提案評価型 AⅠ型
最後に、技術提案評価型 AⅠ型では、通常通りの構造や工法では制約条件を満たせない場合の技術提案が求められます。
この型でも、発注者からの標準案や予定価格も存在しないため、幅広い提案が必要となるでしょう。求める技術提案の範囲は「工事目的物」と「施工方法」であり、特殊な条件下で工事を実施するための技術提案がポイントです。