人工芝はサッカー場でも普及している

2022年05月30日 人工芝

人工芝をサッカー場のグラウンドに用いる事例が増えています。人工芝は長期的に見れば天然芝より費用を抑えられる上に、より多くの時間をプレーにあてられるメリットがあります。人工芝と天然芝、家庭用人工芝と競技用人工芝の違いを説明していきましょう。

サッカー場の人工芝

人工芝のメリットとデメリット

サッカー場やフットサル場で普及が進む人工芝には、以下のメリットがあります。

〇天候や季節の影響を受けにくい

土や天然芝と比較して格段に水はけが良く、雨や雪の影響をあまり受けません。そもそも積雪地域では天然芝が育ちにくいので、人工芝が適しているといえるでしょう。

〇天然芝と比べて費用がかからない

人工芝は維持管理が容易で、施工費用こそ高くかかるものの、長期的に見れば天然芝より費用を抑えられます。後述するとおり10年ほどで交換する必要があることを考えても、人工芝は天然芝よりローコストといえます。

〇服が汚れにくい

人工芝のグラウンドは砂埃が立たず、天然芝のように草の汁がつくこともありません。

 

一方、人工芝のデメリットとしては、以下のものがあります。

〇やけどのリスクがある

原料がプラスチックの場合は熱に弱く、摩擦によってやけどが起きやすいといえます。

10年前後で交換する必要がある

10年前後で芝を剥がして、新しい人工芝に交換しなければなりません。下地を補修する作業など大がかりな工事が必要です。

 

サッカー競技における比較

サッカー選手から見た天然芝と人工芝の違いを説明しましょう。

天然芝の場合、水をまくとボールがよく走る点、スライディングしやすい点が魅力です。一方で、雨が降るとぬかるんで水たまりができるなど、天然芝ならではの不便もあります。

人工芝の場合はグリップの効きが良く、パスしやすいなどの特長があります。ラインが描かれている点も選手のプレーしやすさにつながります。一方、グリップが過剰なため芝に引っかかりやすい・スパイクのスタッドが取れやすいなどの不便を感じる選手もいます。

このように天然芝と人工芝で一長一短がありますが、「整備にあてていた時間を練習に使える」「競技に専念できる」という理由で人工芝の人気は高まっています。

 

家庭向けの人工芝は競技に向かない

個人宅の庭やベランダでも人工芝がよく見られますが、それら家庭向けの人工芝の上で競技することはおすすめできません。競技用の人工芝に使用されている充填材にはクッションの役割があり、選手の安全性と可動性を保証しています。激しい運動が想定されていない家庭用の人工芝では、充填材が使われていないため、選手の身体的な負担が大きくなりますし、芝も過剰なダメージを受けます。家庭用の人工芝の上をスパイクで走ると、芝に刃が刺さって転倒を引き起こします。

家庭用の人工芝は値段が安いという魅力がありますが、本格的なスポーツには適さないのです。