国総研が運用開始した建設DX実験フィールドの特徴と概要まとめ

2024年05月21日 建設DX

国土交通省は、インフラ分野における業務の生産性や安全性向上を目指し、インフラDXに取り組んでいます。

今回は、インフラDXの促進に向けて運用開始された、建設DX実験フィールドについてまとめました。

experimental-field

建設DX実験フィールドの特徴

そもそもインフラDXとは、デジタル技術を活用してインフラサービスを変革する取り組みのことです。
中でも、​​AIloTARなどの技術を使った建設業界への導入が進んでいます。

令和36月に、国土技術政策総合研究所(以下:国総研)が建設DXフィールドを運用開始しました。

参考:建設 DX 実験フィールド始動!(http://www.nilim.go.jp/lab/bcg/kisya/journal/kisya20210628_2.pdf)

 

建設DXフィールドとは、インフラDXにおける取り組みの中で、建設業界の技術開発促進のために整備された研究施設です。
主に無人化施工や自動施工、3次元データを使った計測、5Gによる遠隔操作の技術開発が行われます。

 2.6万㎡の土木フィールドや実物大の模型を使い、より実際の現場環境に近い実験を実現できます。

 

研究施設の概要

研究施設は、次の3つに分かれます。

  • 土木フィールド
  • 出来形計測模型
  • 定置式水平ジブクレーン

 それぞれの概要について紹介します。

 

土木フィールド

無人化施工や自動施工、5Gによる遠隔制御などに関わる実験が行われます。

広い敷地を使って、i-constructionトップランナー施策の重要部分である、最新の計測機器や遠隔操縦用映像、自動施工などの検証・試験に利用可能です。

フィールド内には、「ローカル5G通信施設」「実験用建設機械」「遠隔操作室」「ストックヤード」などがあります。

土木フィールドは民間企業に利用を解放しており、インフラDXをより広めようという取り組みが伺えます。

 

出来形計測模型

実際の現場を想定し、実物大の模型や3次元データを使った実験が行われます。

「土木構造物模型」「橋梁模型」「配筋模型」「地下埋設物模型」の4つの模型を使い、3次元計測技術等の精度検証を行うことができます。

出来形計測模型についても、民間企業の利用が認められています。

 

定置式水平ジブクレーン

建設作業において負担となる作業を軽減するために、幅広い実験に活用されます。

施工現場では重い物や長い物を大量に運ぶ必要があり、生産性の低下だけでなく、安全面において懸念点がありました。定置式水平ジブクレーンによって生産性を2割向上させられると言われており、作業の省力化や安全性の確保などが期待できます。