建設DXとは?インフラDXにおいて国土交通省が掲げるビジョン
2024年05月08日 建設DX
DX(デジタルトランスフォーメーション)はデジタル変革を意味し、デジタル技術を活用したビジネスの取り組みを指します。
ここでは、建設業界におけるDXの取り組みと、インフラDXで国土交通省が掲げているビジョンについてまとめました。
建設DXとは
建設業界では、人材不足や働き方改革の必要性、低い生産性などが、長年課題点として挙げられてきました。また、現場作業であるためテレワークなどのオンラインを活用した働き方はなかなか導入されず、対面主義の風潮が根強いのも事実です。
しかし、新型コロナウイルスのような感染症拡大の影響を受け、デジタル技術を活用した業務への取り組みが推進され、徐々にDXを導入する企業が増えました。
建設DXとは、建設業界にAIやloT、AR、3Dなどのデジタル技術を取り入れ、建設業務の一連のプロセスを管理したり、人ではなく技術に作業を行わせることで生産性を向上させたりする取り組みです。
これにより、建設現場の関係者間での情報共有が円滑になり、また危険な作業における安全性を確保しやすくなりました。
主に用いられている技術としては、ICTやBIM/CIM、ドローンなどが挙げられます。
ICTは情報通信技術、BIM/CIMとは、3次元モデルの導入による生産・管理システムの効率化を図る取り組みのことです。
インフラDXで国土交通省が掲げるビジョン
建設業界だけでなく、インフラ分野全体においてDXが推進されています。
国土交通省がインフラDXにおいて掲げるビジョンとして、次の4つが挙げられます。
- 現場・実地の公共事業を「非接触・リモート化」
- インフラのデジタル化推進によるBIM/CIMの活用
- 5G等を活用した無人化施工技術の開発
- リアルデータの活用による技術開発
関係者間のやり取りを非接触・リモート化するために、ICT環境の整備が重要視されています。また、3次元で構造物の形状を表現し、属性情報を組み合わせたBIM/CIMモデルも推進されている取り組みの一つです。
現場と連携して無人化施工技術を高度化させる動きも広まっており、実験・研究が進められています。
そのほか、熟練の技能を持っている労働者のリアルデータを活用し、省人化・高度化に向けた技術開発にも取り組まれているようです。
国土交通省は「令和5年度までの小規模を除く全ての公共事業におけるBIM/CIM原則適用」を目指しており、今後もインフラ分野でDXの重要性が高まっていくでしょう。