技術提案にDXが求められる背景とは?DXの意味から解説します
2023年10月13日 総合評価
建設業界ではDX化の取り組みが推進されており、技術提案でもDX技術の活用が求められている現状にあります。
今回は、DXの概要やDX導入にあたっての課題などについてまとめました。
DXとは?
DX(デジタルトランスフォーメーション)は、組織や産業、社会全体がデジタル技術を活用して変革し、新たな価値を創造するプロセスや戦略のことを指します。
DXは、情報技術(IT)を中心に、クラウドコンピューティング、ビッグデータ分析、人工知能(AI)、IoT(Internet of Things)などのデジタルテクノロジーを駆使して、業務プロセスの効率化、顧客サービスの向上、新たなビジネスモデルの創出などを実現可能です。
インフラ分野においてもDXは重要な役割を持ち、持続可能な発展と効率性の向上に寄与し、都市の未来への投資として注目されています。新たなテクノロジーの導入とデータ活用により、より安全で効率的な都市とインフラの実現が期待されます。
国土交通省が挙げるDXへの課題
インフラ分野においてDXを進めるためには、以下の課題が存在します。
- BIM/CIM技術者の不足
- モデルの発展途上
- 技術提案・交渉方式の活用
- 品質確保と生産性向上
まず、BIM(Building Information Modeling)やCIM(Civil Information Modeling)に精通する技術者が限られていることが挙げられます。これらの技術を活用するためには、専門知識を持つ人材の確保が必要です。
また、BIM/CIMのモデル仕様やソフトウェアは、発展途上段階にあるため、工事ごとのニーズに応じてモデルの詳細度を調整し、設計者や施工者が協議できる体制の確立が求められます。
そのほか、DX関連ツールの開発や活用を促進するためには、技術提案・交渉方式を積極的に活用する必要があります。施工者が調査・設計段階から参画し、独自技術を設計に反映させることで、新技術の活用が促進されるでしょう。
そして、総合評価落札方式や技術提案評価型(S型)は、要素技術に関する技術提案にとどまっており、得点差がつきにくい現状にあります。これを打破するためには、品質確保に関する技術提案に限らず、生産性向上に関する技術提案を施工者に求めることも必要とされています。
上記の課題に取り組むことにより、公共工事におけるDXツールの適切な活用が進み、DX技術を活用した技術提案、そして、より効率的で高品質なインフラの整備が実現されるでしょう。